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東京/大阪予選 対戦環境レポート 【20161103-06】


 
  • 2016年11月10日
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秋の公式大会が終わり、BXR 各自主大会での予選も中盤戦が終わりました。
新シリーズSMへの移行を控え、更なる混迷を見せる東京/大阪会場の環境考察レポートをお届けします。

メタゲーム推移:オーロットを許すな


東京会場のデッキ傾向は対【オーロット(XY1)】を強く意識したものになりました。
【うねりの大海】を搭載したデッキは多く、WTBやゲッコウガデッキはもちろん、東京会場では【MライボルトEX(XY4)】を中心にしたデッキがかなり多く見られました。

110ダメージを叩き出しながらトラッシュのエネルギーをベンチにつけられるワザ「ターボボルト」は、エネルギーをトラッシュしながら戦うオーロットデッキにとっては大きな脅威です。

必要なエネルギーもわずか2つと、【ヘッドノイザー】での妨害をされる前に、最初の番に【ライボルトソウルリンク】をつけてしまえば、比較的簡単にエネルギーを加速できるでしょう。

万が一失敗しても、【うねりの大海】を引くことができれば「サイレントフィアー」でバラ撒かれたダメージを帳消しにできます。
サブアタッカーは【フリーザー(XY6)】や【サンダースEX(PR)】、【リーフィアEX(PR)】など、【うねりの大海】の恩恵を受けられるタイプのポケモンや、ワザの効果などで回復ができるポケモンを採用する事が多いため、長期戦になってもオーロットデッキを追い詰める事ができます。

大阪会場では【ボルケニオンEX(XY11)】で速攻を仕掛けるデッキが活躍しました。
128人の参加者のうち21人ものプレイヤーがボルケニオンデッキを使用しており、これはおよそ6人に1人、予選を5ラウンド行えばおそらく1度はボルケニオンに当たるほどの使用率です。

色相性で有利なWTBやゲッコウガデッキの合計もほぼ同じくらいの数存在していましたが、それをものともせずに猛威を振るいました。

【ボルケニオンEX】が3匹並んで、特性「スチームアップ」を3回使う事ができれば、【ボルケニオン(XY11)】がエネルギー1つで使う事ができる「パワーヒーター」で110ダメージを叩き出すことができます。
更にその効果でトラッシュされたエネルギーのうち2枚はベンチの【ボルケニオンEX】につけられるとなれば、オーロットデッキの側はエネルギーをトラッシュするスピードが追いつかなくなる事も多々あります。

そして【ボルケニオンEX】はワザ「ボルカニックヒート」で130ダメージを叩き出すことができます。この数字は、「スチームアップ」1回ぶんの効果で160になるため、無傷の【オーロットBREAK(XY6)】を綺麗な打点で倒すことができます。

両会場を通じてオーロットデッキ使用者は愛知での公式大会を席巻したほどの数は見当たらず、メタの一角ではあるものの多くありませんでした。不利になるデッキの増加を見込んだものだったと考えられます。

東京/大阪会場でオーロットデッキが少なかった理由のもう一つが【ギラティナ(PR)】でしょう。東京会場の2日前、大阪の5日前にリリースされたプロモーションパックに入っているこのカードは、BREAKポケモンの特性を無効にする特性を持っています。

進化前のわざと特性を引き継ぐことで強力なカードとなるBREAK進化ポケモン。その中でも【オーロットBREAK】【メレシーBREAK(XYG)】【ゲッコウガBREAK(XY9)】らの特性が消えてしまうことは、環境に大きな変化を及ぼすことが容易に想像できます。

実際、大阪会場では様々なデッキに採用されており、東京会場とは別のアプローチでの【オーロットBREAK】包囲網が形成されていました。
【オーロットBREAK】デッキの中には【サイレントラボ】で対策を取るものもありますが、【次元の谷】を使用する場合と比較し、エネルギーのフローはかなり厳しくなります。

ちなみに、オーロットデッキを苦手とする夜の行進デッキはずいぶんと減った印象です。苦手とするオーロットデッキの減少を見越せばチャンスがあるかに思えますが、【オーロットBREAK】アンチデッキの多くに対して特段の有利をとれないことからか数を減らしました。
それでもこのデッキはまだまだ根強い人気があるため、夜の行進への対策を完全に削ることは勇気が必要かもしれません。

東京会場 TOP4


  • ガブリアス/ジガルデEX
  • レインボーフォース
  • レインボーフォース
  • ボルケニオン

東京会場で観客に大きな衝撃を与えたのは【ガブリアス(XY9)】の優勝でしょう。 【メレシーBREAK】という選択肢を取らず、あえて【ガブリアス】を選んだ意図。優勝者本人は「こだわり」とコメントされていましたが、着目すべきは「きあいのタスキ」と「サイレントラボ」の有効性でしょう。

【ボルケニオンEX】は、特大の打点を一撃で叩き出すタイプのデッキのため、【きあいのタスキ】や【ポケモンセンターのお姉さん】で手数を稼がれると、燃費の面で息切れを起こすこともありそうです。
また、【パラレルシティ】と【サイレントラボ】での妨害から主導権を握られると、【ジガルデEX】に押し負けてしまうでしょう。

ガブリアスという、現環境で決してメジャーとは言えないカードで見事本大会への切符を掴んだことは、ひときわ大きな存在感を醸し出しています。

優勝者は「闘デッキ一本!」とのことですが、本大会でのユニットバトルはチーム戦です。他の3人はもちろん、本人も本戦で闘デッキを選択するとは限りません。
また安易な草デッキや超デッキの選択は【ボルケニオン】や【イベルタル】の餌食になる可能性もあるため、対戦相手はデッキ選択に非常に悩むことになりそうです。

続いてレインボーフォースデッキを選択したプレイヤーが2人入賞しています。
たねポケモンである【ゼルネアス】が、妖無無という少ないコストで、M進化ポケモンを倒し続けることも可能な打点をくりだします。

ベンチで控える【キリキザン】や【デンチュラ】も広く弱点を突けるため、【ゼルネアス】を倒せたとしても、思わぬカウンターを受けることもあります。
繊細なプレイングが必要とされるデッキでもあるため、入賞者のプレイスキルは折り紙つきといえるでしょう。

4位にはボルケニオンデッキが入賞しました。
ジュニアリーグのプレイヤーが大人顔負けの勢いでこの会場最後の切符を掴み取りました。

デザイナーズコンボということもあり、比較的扱いやすいデッキではありますが、頻発するミラーマッチや水デッキへの対策など、細かい調整やプレイングで差が出るデッキでもあります。
権利獲得後の「お父さんはユニットに入れる?」という質問に対し、きっぱり「NO」と言い切る潔さ。爆熱のプレイヤーの冷酷な一面を垣間見ました。頑張れ!お父さん!

大阪会場 TOP4


  • ボルケニオン
  • ボルケニオン
  • ボルケニオン
  • MタブンネEX/ドータクン

一方の大阪会場ではボルケニオンデッキの使用者がTOP4のうち、3人を占めました。

予選で使用したプレイヤーの数でもダントツの1位。決勝トーナメント5位にもはいったWTBを含めた水タイプのデッキを多数打ち破った点を踏まえて、色相性のみではひっくり返せないスピードと打点の高さは現環境の中心といえるかもしれません。

「【ボルケニオン】や【ボルケニオンEX】に一撃で倒されず」「【ボルケニオン】のスピードに追い付けて」「【ボルケニオンEX】を連続して一撃で倒せる」デッキはそう多くはありません。
あの白レックですら、【スカイフィールド】を早々に引けなければ、スピード負けする事すらあります。

4位の【MタブンネEX(XYH)】は【オーロット】に対して強く出られるデッキ。
準決勝では残念ながら【ボルケニオン】の高いHPや打点に及びませんでしたが、決勝トーナメントで結果を残すこととなりました。

この会場のデッキ傾向として、TOP8にBREAK進化ポケモンをメインに据えたデッキがいなかった点は注目すべきでしょう。
【ギラティナ(PR)】が登場したことはやはりBREAK進化ポケモンには逆風だったといえそうです。

この会場の決勝戦はジュニアリーグのプレイヤー2人により行われました。
2位のプレイヤーは「優勝プレイヤーとユニットを組みたい!」とのことで、本戦出場権を辞退し、5位のマスターリーグのプレイヤーに権利繰り下げとなりましたが、3会場終了時点で本戦への切符を持つジュニアプレイヤーはこれで3人となりました。

ほぼジュニアの参加人数比通りの枠をしっかり確保しており、辞退が一人いた事を考えれば、マスターの選手たちの枠を着実に奪っています。BXR本大会はジュニア・マスターの区別のない大会ですが、この勢いならばジュニアチームの活躍が期待できそうです。

スタジアムから見るメタゲーム


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宮城と愛知の予選に参加するプレイヤーの皆さんは残り2週間でどのようなデッキを調整するべきか悩んでいることでしょう。

ここで現環境の特徴ともいえるスタジアムカードについて注目してみましょう。そこからデッキ選択のヒントが見えてくるかもしれません。

XYシリーズの終盤という事もあり、多くの種類のスタジアムカードが使用できます。
現在使えるスタジアムを全て羅列してみましょう。

  • フェアリーガーデン
  • シャドーサークル
  • スチールシェルター
  • 灼熱の大地
  • うねりの大海
  • アクア団のアジト
  • マグマ団のアジト
  • 記憶のほこら
  • サイレントラボ
  • パラレルシティ
  • リバースバレー
  • カオスタワー
  • スカイフィールド
  • 色の消えた町
  • 巨大植物の森
  • 磁気嵐
  • 次元の谷
  • トレーニングセンター
  • マウンテンリング
  • ファイティングスタジアム
  • オールナイトパーティー
  • チャンピオンズフェスティバル

実に20種類を超えるスタジアム、これらの使い道を再確認し、その中でも特によく見るものをピックアップし、考察してみたいと思います。


フェアリーガーデン
主な採用デッキ:フェアリー系統、ドラゴン系統
フェアリーデッキの定番カードです。【ゼルネアスBREAK(XY11)】や【ダブルドラゴンエネルギー】を大切にしたいデッキに多く入ります。
【かるいし】と役割が競合するカードなので、【ダストダス(XY9)】と同時に採用するケースは多くない印象です。
シャドーサークル
主な採用デッキ:【イベルタルEX】系統
悪エネルギーひとつで弱点を消すことができるカードです。
BWシリーズのカードが使えた時代には、【フレフワン(XY1)】と様々なポケモンEXを組み合わせた、「フレフワンツールボックス」と呼ばれる耐久型デッキなどで見かけることもありましたが、現在は相手のターンにスタジアムをトラッシュされるリスクが以前より高いため、あまり見かけません。
スチールシェルター
主な採用デッキ:鋼系統
鋼タイプの専用サポートであり、【ドータクン(XYB)】をデッキによく見られます。
鋼タイプのデッキは【ボルケニオンEX】の流行により大会での使用者が減っている点、特殊状態を利用するデッキが多くないため、あまり見かけないのが現状です。
灼熱の大地
主な採用デッキ:ボルケニオン系統、メレシーBREAK闘系統
【基本炎エネルギー】【基本闘エネルギー】を使うデッキで採用されるこのスタジアムは、特に【ボルケニオン】を採用するデッキに多く見られます。
相手のデッキタイプによってはミラーマッチで腐りやすかったり、相手が山札を引いたりもしますが、「パワーヒーター」「ダイヤモンドギフト」の前準備として、エネルギーをトラッシュに置くためにも使用されます。
【コルニ】【鍛冶屋】といった、各色の専用サポートカードを使用した際に補えない量的ドローを助ける、特色の違う炎タイプと闘タイプに共通した課題に対してひとつのアプローチで解決を図る、ゲームデザイナーの本気を感じさせる一枚です。
言わずもがな、【ボルケニオン】が流行している環境において、よく見かけるカードです。
うねりの大海
主な採用デッキ:MライボルトEX、WTB、ゲッコウガ、ホエルオーEX
水タイプと雷タイプのポケモンのHPを回復させるカード。このカードを採用するデッキの多くが長期戦を睨むデッキで、複数のポケモンがバトル場に交代で現れることが多くなります。
中打点、低打点を組み合わせて戦うデッキにとっては、サイドを取りづらくし、一方的なゲームに持ち込むことすらある強力なカードです。
【オーロットBREAK】への対策として、XY9環境以降で特に多く見ることが増えたカードです。
アクア団のアジト
主な採用デッキ:アクア団、【ギラティナEX(XY7)】軸、【イノムー(XY8)】
にげるためのコストを1増やす効果を持つスタジアムです。
デメリットを与えるカードのため、自分のデッキの動き方を考えなければいけないテクニカルなカードです。
相手のターンに特に働いてほしいカードなので、【ギラティナEX】や【キュウコン(XY5)】で張り替えを阻止する戦法がとられる傾向にあります。
【ヘビーブーツ】や【イノムー】など、にげるコスト自体が恩恵になるカードも存在しますが、現状メタゲームの中に深く食い込むことはなく、採用数自体が少ないのが現実です。
マグマ団のアジト
主な採用デッキ:マグマ団、【チルタリスEX(XY10)】、【ギャラドス(XY7)】
ベンチにポケモンが出た際、ダメカンを乗せるカードです。
ダメージを乗せることがメリットになるカードと組み合わせて採用されますが、【うねりの大海】などに押され、その数は現在のトーナメントでは非常に少ないと言えます。
記憶のほこら
主な採用デッキ:【MミュウツーEX(XY8)】、【MレックウザEX(XYD)】、【MリザードンEX(XY2)】、夜の行進
Mミュウツーデッキの定番カードです。
進化前のワザを使うことで、より効率のよいワザでゲームを組み立てることができます。
一風変わった使い方としては、夜の行進デッキに採用し、【デンチュラ(XY11)】が「よるのこうしん」を使うことにより、草タイプが弱点の相手に対して特大ダメージを叩き出すなどの使い方も見かけます。
サイレントラボ
主な採用デッキ:【ゲッコウガBREAK】、【オーロットBREAK】
たねポケモンの特性を消す、現環境で特に多く見かけるスタジアムです。
【シェイミEX(XY6)】【フーパEX(XY7)】のCIP(Comes Into Play/場に出たときに働く)能力への対策のほか、【ギラティナ】【ソーナンス(XY4)】で特性を封じられたくないデッキに採用されます。
このスタジアムを採用するデッキには、【シェイミEX】でなく【オクタン(XY8)】を採用する傾向があるため、相手のデッキのドローソースの配分がサーチや妨害に傾倒している可能性も加味して対戦を進めた方がよいかもしれません。
【ソーナンス】の影響を大きく受けないオーロットデッキへの採用は大きなシナジーがあるとは言えませんが、【イベルタルXY8)】に対して【かるいし】や【ちからのハチマキ】の効果を発揮するためのカードとして、ピンポイントな運用も視野に入れることができます。
パラレルシティ
主な採用デッキ:【ビークイン(XY7)】【ギラティナEX】
草、炎、水タイプへのデメリットと、ベンチを絞るという、2つの異なる効果を持つカードです。
ベンチポケモン(多くの場合、【シェイミEX】)をトラッシュするために、草タイプのビークインデッキにすら入ることもある超定番カード。
白レックや【ライチュウ(XY1)】などへの対策は言うに及ばず、【ボルケニオン】【ゲッコウガ】にとっては、打点が20下がることはもちろん、ベンチを絞らされても厳しい戦いになるため、両デッキへの対策としても機能します。
リバースバレー
主な採用デッキ:悪タイプ軸、鋼タイプ軸
上下で異なる効果を持つカードですが、確実に効果を期待できる悪タイプデッキでの採用が多い、攻撃的なカードです。
【イベルタル(Y30)】や【サメハダーEX(XY5)】などの打点が小さいポケモンはもちろん、【イベルタルEX】や【ゾロアーク(XY8)】で更にダメージを狙う場合も使用されます。
カオスタワー
主な採用デッキ:【スリーパー(XY9)】、【MヤドランEX(PR)】
特殊状態を打ち消すことができるカード。
それぞれ異なる特殊状態を消すことができるため、お互いのポケモンに効果を発揮する【アリアドス(XY7)】や【スリーパー】などと組み合わせ、自分だけ恩恵を受ける使い方があります。 XY11環境において、第一線ではあまり見られませんが、広い使い方を期待できるカードです。
スカイフィールド
主な採用デッキ:白レック、【MサーナイトEX(XY11)】、【ライチュウ】
ベンチが一時的に広がります。ベンチポケモンの数によりダメージが上がるデッキや、【シェイミEX】【フーパEX(XY7)】などで高速展開した後のベンチの質を高めるための採用が多いです。
別のスタジアムを出した場合、6匹目のベンチはトラッシュされるため、【シェイミEX】のデメリットを軽減することができます。(この点においてはワザ「ディスピアーレイ」を持つ【MサーナイトEX(XY11)】を主軸とする、いわゆる黒サナデッキにおいては当てはまりませんが...) 【パラレルシティ】と異なり、出したターンに隙ができることもあるため、CIP効果持ちのポケモンの処理を意図したデッキでは序盤-中盤に1-2枚を引くことが重要なカードです。
色の消えた町
主な採用デッキ:【ギラティナEX】
M進化ポケモンに対してポケモンチェックごとにダメカンを乗せていくこのカードは、1ターン場に残るごとに20、60、100と、M進化ポケモンに大きな重圧を与え続けます。
M進化ポケモンに対してのみ効果を発揮しますが、M進化ポケモンを強く意識する場合、採用候補に上がるカードです。 【ギラティナEX】のワザ「カオスウィール」などで固定して使う方法が非常に強力です。
巨大植物の森
主な採用デッキ:【ラフレシア(XY7)】、【MジュカインEX(XY7)】、【メガヤンマBREAK(XY11)】
場に出すために2ターン、3ターンかかる進化ポケモンを一気に進化させることができる強力なスタジアムです。
ワザを使えず、無駄になりがちな1ターン目をソウルリンクなしでM進化をすることで無駄なくゲームを進められるほか、先攻1ターン目でラフレシアを場に出す事ができるなど、草デッキにおいて、大きなアドバンテージを稼げるカードです。
東京/大阪ともに、ラフレシアデッキ、Mジュカインデッキともに数が少なかったため、多くは見かけませんでしたが、ゲッコウガデッキやオーロットデッキに対して盤石な体制を作れるMジュカインEXデッキは、ボルケニオンデッキを完全に切る事で圧倒的な強さを誇る選択肢となる点は頭の片隅に置いておくべきでしょう。
磁気嵐
主な採用デッキ:【ジガルデEX(XYG)】
中打点デッキを悩ませる抵抗力の問題を解決してくれる【磁気嵐】は、数多くの選択肢がある闘タイプデッキのスタジアムの中でも、かなり有力な選択肢として採用圏内に残ります。
【ファイティングスタジアム】と異なり、非EXポケモン、たとえば2種類の【イベルタル】や【オーロット】などに対しても効果を発揮するため、ダメージレースで相手を大きく突き放すことができます。
【イベルタル(XY8)】のHPはそれぞれ130なので、【ストロングエネルギー】をつけた【ジガルデEX】が2回「セルストーム」を使用した場合、うち1回を【磁気嵐】下で使えれば突破できることは、【闘魂のまわし】を無効化されて苦しんだことがあるならば、一度検討してみるべきでしょう。
次元の谷
主な採用デッキ:黒サナ、夜の行進、【オーロットBREAK】、ミュウブイズ
猛威を振るうオーロットデッキで最も多く採用されるのが【次元の谷】です。
【オーロットBREAK】の「サイレントフィアー」、【MサーナイトEX】の「ディスピアーレイ」、バケッチャの「よるのこうしん」など、数多くの強力なワザを驚くべき低コストで叩きだす事ができます。
特に上記の3つのワザについては、エネルギー1枚で使用できるため、盤面からエネルギーをすべて排除しても、【次元の谷】があれば次のターンに強力なワザを使われてしまい、盤面にエネルギーが残っていればその次のターンも強力なワザを使われてしまう、攻撃的な盤面を維持することができるカードです。
多くのメタデッキで採用されますが、裏を返せばお互いのデッキに【次元の谷】が3枚ずつ、というケースもあるため、デッキや手札でもて余すケースも多々あります。
トレーニングセンター
主な採用デッキ:【ヨノワール(XY2)】【ラッタBREAK(XY9)】
1進化、2進化のポケモンのHPを上げるスタジアムですが、最近の大会で見かけることはまずありません。
HPを上げても、スタジアムをトラッシュされた瞬間、HPは元に戻ってしまいます。
このスタジアムを能動的に使うためには、ダメカンの移動手段と、受け皿として優秀なポケモンを採用するか、相手あるいは自分のポケモンのHPが高ければ高いほど効果を発揮するカードと組み合わせるのがコツです。
たとえば、【ラッタBREAK】で相手のHPを10まで削るデッキで、BREAK進化前のラッタを守りつつ、スタジアムが消えれば相手の最大HPも下がり、ダメカンがオーバーフローすればきぜつ、という盤面を狙った使い方など、ニッチな需要があります。
相手がスタジアムをトラッシュする手段を全て使い切る場面までゲームを進めるか、【キュウコン】の特性で守りながら戦えれば、進化ポケモンを長く戦わせられるため、【こわいおねえさん】や【ペンキローラー】の流行具合によっては強力なカードになるかもしれません。
マウンテンリング
主な採用デッキ:【MボスゴドラEX(XY5)】【ダグトリオ(XY1)】【ガマゲロゲEX(XY3)】
ベンチへのダメージを防いでくれるカード。ベンチへの攻撃はおおよそ有効な戦略のため、通常であれば妨害手段として有効ではあるのですが、現在ベンチへダメージを与える手段としてメジャーなカードといえば【オーロットBREAK】の「サイレントフィアー」や【ゲッコウガBREAK】の「きょだいみずしゅりけん」等、ワザのダメージ以外の方法でダメカンを乗せる戦法が主流です。
【デンチュラ】【ドータクンBREAK(XY10)】対策として搭載するのは疑問符が残ります。
ワザのダメージの反動として自分のベンチポケモンにダメージが乗るデッキであれば、リスクを恐れずに攻撃的な立ち回りができる選択肢となります。
ファイティングスタジアム
主な採用デッキ:【チャーレム(XY5)/Ω連打】、【ルカリオEX(XY3)】
低コストのワザに加点要素を重ね、手数で勝負するXYシリーズの闘デッキのスタイルを象徴するカードです。
非EXポケモンを中心に構成されたXY10環境において鳴りを潜めてきましたが、ポケモンEXが多く見られるXY11環境において、再び選択肢として有力なものとなりました。
【レジロックEX(XYG)】という更なる加点要素を得たチャーレムデッキにおいて、M進化ポケモンと渡り合うために必要な一枚であると考えられます。
オールナイトパーティー
主な採用デッキ:【ダークライEX(XY9)】
ねむり状態を解除することができる、一風変わったカードです。
ポケモンチェックで「ねむり」を回復されてしまうため、それを逆手に取り、【スリーパー】の特性「グッナイベイビー」を使ったあとに自分のバトルポケモンは【オールナイトパーティー】の効果で回復、【ダークライEX】のワザ「ダークヘッド」で大ダメージを狙い、相手のバトルポケモンがねむりから回復すればHPの回復はおあずけ、という、強力なコンボが存在します。
しかしながら、【カオスタワー】【スチールシェルター】など、自分だけねむり状態を回避する方法は多数あるため、特定のコンボデッキで採用されるカードであるといえます。
チャンピオンズフェスティバル
主な採用デッキ:【ドータクン(XY10)】

世界大会のプロモーションカードということもあり、実物を見た事もない、あるいは存在そのものを知らなかった方もいるかもしれません。
タイプを問わないとはいえ、ベンチをフルに埋めてなお、【うねりの大海】という強力な回復手段の1/3というダメージしか回復できないので、採用するデッキは殆どありません。
このカードを現在の環境に投入するのであれば、【ドーミラー(XY10)】のHPが60である点に着目したいと思います。

【オーロットBREAK】の「サイレントフィアー」を2回受けるときぜつしてしまう【ドーミラー】のHPを10回復することで、「サイレントフィアー」を2回受けることができます。 その間に【ドータクン】に進化することができれば、以降ベンチポケモンを特性「はがねのようさい」で守りながら、超タイプに抵抗力を持つ【ギルガルドEX(XYB)】や【ゲノセクトEX(XY10)】などの力押しでゲームを進めることができるでしょう。
ただし、「はがねのようさい」は【ゲッコウガBREAK】の特性「きょだいみずしゅりけん」に対しては働かず、ドータクン自身が流行している炎タイプの【ボルケニオン】に滅法弱いため、トーナメントにおいてはかなり少数です。


ここまでスタジアム単体について紹介してきましたが、東京・大阪の各会場でキーとなったスタジアムを特にピックアップするのであれば以下のような構図になると考えられます。

T1
  • パラレルシティ
  • スカイフィールド
  • うねりの大海
  • 次元の谷
T2
  • サイレントラボ
  • 灼熱の大地
  • フェアリーガーデン
  • 記憶のほこら
  • 巨大植物の森

現環境で特に目立ったデッキのスタジアム事情を考察してみましょう。

オーロット
相手の【うねりの大海】はそのまま1ターンぶんのアドバンテージを失うことになるため、【うねりの大海】を【サイレントラボ】【次元の谷】で排除していきたいところです。
【パラレルシティ】【スカイフィールド】の影響は比較的少ないですが、ベンチポケモンをきぜつさせずにトラッシュされるため、プレイされるタイミングによってはゲームの行方が大きく変わります。
いずれにせよ、十分にエネルギーがついていないタイミングで【次元の谷】が欲しいゲームが多いのではないでしょうか。
ゲッコウガ
多くの場合、【シェイミEX】を採用しないため、【サイレントラボ】と【うねりの大海】の2択が主流です。
【パラレルシティ】はどちらの側を向けられても厳しい戦いとなるため、要注意です。
一見有利に戦えそうな【ボルケニオンEX】を相手にした場合には、【闘魂のまわし】がついてしまうと、ベンチに戻って回復をされてしまうケースがあるため、【うねりの大海】を出すタイミングについて注意が必要です。
130ダメージを出す【ガマゲロゲEX】、160+10ダメージを出す【アマルルガEX(PR)】を擁するWTBに対しても、うねりの大海の恩恵を相手が一方的に受ける可能性を考えたプレイをしなければ厳しい戦いを強いられるでしょう。
ボルケニオン
【スターミー(CP6)】という強力な補助を得たことにより【灼熱の大地】が多く見受けられますが、オーロットデッキの流行を鑑みると、【うねりの大海】も選択肢として残しておきたいです。
【フーパEX】や【シェイミEX】で高速展開するスタイルを取るのであれば、【スカイフィールド】も視野に入ってくるでしょう。
【パラレルシティ】や【サイレントラボ】を割る事ができないと、火力が著しく落ちることになるので、これらのケアはしっかりと行う必要があります。
レインボーフォース
【ゼルネアス(XY8)】を主軸にしたレインボーフォースデッキは、ベンチを数えるタイプのデッキなので、【スカイフィールド】との相性が非常に良いです。
ベンチに【キリキザン(XY11)】【デンチュラ】【ボルケニオンEX】などのデュアルタイプのポケモンを並べるスタイルをとる場合、【スカイフィールド】を使用しない運用も可能ですが、【フェアリーガーデン】を採用しなくても基本的な立ち回りは変わらないため、【スカイフィールド】を採用するケースが多いようです。
このデッキも例にもれず、【パラレルシティ】は天敵となるため、相手のデッキタイプに応じてスタジアムを割るカードを温存しておく必要があります。
白レック
このデッキについては、【スカイフィールド】ほぼ1択といえます。
【シェイミEX】【マギアナEX(XY11)】【カイリューEX(CP6)】らの特性を止める【サイレントラボ】や、【MレックウザEX(XY6)】のダメージを著しく下げる【パラレルシティ】などは大きな脅威となります。
【うねりの大海】については、相手のポケモンを殆ど一撃で倒せるため、タイミングよく【スカイフィールド】を引けるのであれば、効果そのものを気にするのは【ホエルオーEX(XY5)】を相手にする時くらいでしょうか。
夜の行進
【次元の谷】がメジャーです。ちなみに、【カリン】を採用する黒サナ、複数個所にダメカンを3つずつばら撒く【オーロットBREAK】らのデッキも【次元の谷】を採用するため、スタジアムという軸においてこれらのデッキと渡り合う方法を探す場合、【バチュル】を中心に戦う覚悟が必要です。
【色の消えた町】は黒サナ相手に1度出せると、後続をベンチに置くプレイができるため、採用の余地はあります。
【スカイフィールド】【パラレルシティ】は受ける影響がそれほど大きくないため、問題にはなることは少ないです。
一方で、【うねりの大海】を最序盤、あるいは【カリン】での妨害を受けた直後に出されると、大きな影響を受けるため、水タイプや雷タイプを主軸にするデッキと対戦する際は要注意です。
【バチュル(XY4)】や【デンチュラ】は【うねりの大海】の恩恵を受けられるため、【闘魂のまわし】を【バチュル】に積極的に貼る事により、おこぼれに預かることができるかもしれません。
【ジガルデEX】【ガマゲロゲEX】らを相手にする時に、【記憶のほこら】と【デンチュラ】を握る事ができれば、相手に大きな打撃を与えることが可能なため、草タイプが弱点のデッキや【サンダースEX】【カエンジシ(XY2)】などのデッキで夜の行進デッキを相手にする際には、相手が必要以上に【バチュル】を大事にしていないか、注意を払う必要があります。
ギラティナEX軸
スタジアムの主導権争いで有利に立つことができるワザ「カオスウィール」を使えるため、【パラレルシティ】【サイレントラボ】【色の消えた町】【アクア団のアジト】【フェアリーガーデン】など、様々な選択肢を視野に立ち回る事ができます。
【こわいおねえさん】【ポケモンレンジャー】などのサポートを使われることもあるため、慎重なプレイをする必要がありますが、それらのサポートは【クセロシキ】や【フレア団のしたっぱ】、【フラダリ】と同時に使われることがないため、1手ずつ確実に詰めていけることでしょう。
ラフレシア
いわゆるラフジガデッキを始めとする、ラフレシアデッキのキーカードとなる、【巨大植物の森】は、序盤においては先立ってプレイするカードです。
ゲームの中盤、手札に貯まったグッズを一気に吐き出すため、【AZ】を使い、【ラフレシア】を回収します。
そのタイミングで【巨大植物の森】があれば、盤面に【クサイハナ(XY7)】がいない状態でも、グッズロックを解除しない状態で相手にターンを渡すことが可能です。
このデッキは1回の攻撃のダメージ量はさほど大きくないことと、【フラダリ】を使える回数が少ない傾向にあることから【うねりの大海】に注意する必要があります。
【ビークイン(XY7)】をアタッカーにする場合は【パラレルシティ】の赤い側を向けられた場合、攻撃力が下がる点に注意したいところです。

メタゲーム推移の予想:宮城・愛知を見据えて


スタジアムに注目して現環境を整理してきましたが、実際に宮城/愛知大会ではどのような環境になるのか、本稿の最後に筆者の個人的な予想を披露しておきたいと思います。
みなさんのデッキ選択・調整の一助になれば幸いです。

推移A:ボルケニオンが更に流行する。

【ボルケニオンEX】を主体にしたデッキは、【ポケモンレンジャー】を必ずと言っていいほど採用しているため、【サンダースEX】や【レジアイス(XY6)】を難なく突破してきます。
しかし、【オカルトマニア】の採用は少ない傾向にあるため【カエンジシ】複数体の突破が難しいかもしれません。

【カエンジシ(XY4)】はベンチポケモンをバトル場に引きずり出す特性「フレアコマンド」を持つため、【鍛冶屋】をうまく使うことができれば、【オーロット】や【ラフレシア】を相手にしてもロック解除が比較的簡単である点も魅力的です。
WTBには進化ポケモンが入っていないケースも多いため、【ゲッコウガ】と当たらなければワンサイドゲームで勝ち進める可能性もあるでしょう。

推移B:WTB流行

【ボルケニオン】【オーロット】に比較的強く当たれる【ガマゲロゲEX】を有するWTBは、とても魅力的な選択肢です。

「ブルブルパンチ」は非常に強力なグッズロックを仕掛けることができますが、大きなHPを持つポケモン、たとえば【ジガルデEX】などに対して、どこかで「グレネードハンマー」を使うタイミングが出てきます。
【ジガルデEX】を選択肢に含めているプレイヤーは、対WTBを見越したプレイングを見直してみると、思わぬ突破口を見いだせるかもしれません。

推移C:ライボルト流行

東京大会でじわじわと数を増やしている【MライボルトEX】は、【ダストダス】と組み合わせることにより、特性に依存する多くのデッキに対して有利にゲームを進めることが可能です。【オーロット】や【ラフレシア】と当たった際にも、【クレッフィ(XY11)】を使うことで、一瞬ですが、グッズロックを解除する事ができます。

グッズロックが解除されているうちに、もう片方の【ダストダス】に【かるいし】を貼ってしまえば、「ダストオキシン」がはたらいているうちはグッズを使うことができます。
故に、複数のどうぐ付き【ダストダス】を立てることができるライボルトデッキは、その粘り強さで一方的な負けを防ぐことができる可能性があります。

ただし、弱点をケアしていても、闘タイプのデッキに【改造ハンマー】や【びっくりメガホン】を使われ、テンポを奪われると、そのまま押し込まれてしまいます。こちらも弱点を突ける【リーフィアEX】や【ゲンガーEX】、【メガヤンマ(XY11)】などで迎え撃つなどの対策が必要でしょう。

混沌のXY11環境。果たして11/26の宮城、11/27の愛知では、どんなデッキが勝ち進むのでしょうか。今からとても楽しみです。